院長コラム
Column
みなさんこんにちは。
かんやまクリニック院長の完山です。
肛門科を受診するのをためらう原因のひとつに、いぼ痔の手術は痛いというイメージが強いことがあげられます。
確かに一昔前の痔の手術は、局所麻酔で大きく切除していたため、ものすごい事になっていたようです。
(患者さん曰く拷問に近い)1カ月入院も当たり前だったようです。
しかし、今は大きく切除する場合は、腰椎麻酔で行いますので、術中の痛みはありませんし、入院も1週間ぐらいで済みます。
それでもまあ術後は痛いですし、治るまでに1カ月はかかりますので、その間制限も多くなります。
したがって痔は治したいけど手術はいやという方が多いです。
座薬とうまくつきあっていくという方が大半です。
ところが、最近“痔を切らずに治す方法があると聞いたのですが”といって来られる方が増えてきました。
これは硬化療法といっていぼ痔に注射をすることにより治す方法です。
切らないので、入院の必要もありませんし、術後の痛みもありませんから、そんな方法があるんだったら、それで治療してほしいと誰でも思いますよね。
ただし、この治療法は全てのいぼ痔に適用できるものではありません。
いぼ痔の中でも内痔核といって、内側にできるいぼ痔に対してのみ有効です。
外痔核の成分を持っている人には有効ではありません。(外側は切除しないといけません。)
また注射後に潰瘍になったり、腫れたり、肛門狭窄(おしりが狭くなる)などの合併症も稀にありますから、十分説明を聞いてから治療を受けないといけません。
当院でも適応を十分吟味し、この硬化療法を行っていますので、是非ご相談ください。